ウッドパズルなどの木工作品を塗装する場合、ずっときれいなままを保てる仕上がりにしたいですよね!この記事では、木工作品の保護に最適な塗料をご紹介。それぞれの仕上がりや保護力などの特徴も解説します。
さらに、きれいに仕上げるコツも紹介しているので、参考にしてくださいね。
木材を保護するなら「造膜型」の塗装で仕上げるのが◎
木材を塗装する意味は、見栄えをよくするための着色だと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし木材塗装には、木材の劣化を防ぐという重要な役目があるのです。
木材用塗料の種類は主に「浸透型」と「造膜型」に分かれます。それぞれ木材の劣化を防ぐ働きがありますが、塗装の性質が異なります。
浸透型は、木材に塗料が浸み込むタイプ。木材の内部に浸透するので木材自体を強化させ劣化を防ぐという性質で、撥水性や防カビ性を備えていますが、耐久性や耐水性はやや弱いところもあります。
一方、造膜型は木材の表面を塗膜で覆い着色するタイプ。木材が膜で覆われるため、耐久性・耐水性に優れ、紫外線や雨の影響からも保護してくれます。また、塗り方や種類によっては、浸透性に近い木の質感を味わえる仕上がりにもなりますよ。
このように、長くきれいな状態を維持したい木工作品には、造膜型の塗料で仕上げることが断然おすすめです!
木工作品の仕上げに使える造膜型塗料の種類と特徴
木工作品におすすめの造膜型塗料はいくつか種類があり、保護力や仕上がり、作業性もさまざまです。ここでは、「水性ニス」「水性ウレタンニス」「ワックス」の3種類について、特徴を解説します。
水性ニス
膜を張る樹脂にアクリルを使用した水性ニスは、ムラが出にくく手軽に塗れる塗料です。薄塗りであれば乾きも早く、ハケも簡単に水洗いできます。塗料特有のにおいが少ない点も、初心者向けであると言えるでしょう。
塗膜が柔らかく塗装後の扱い方によって傷つきやすいので、外で使用するものや、普段から触ったり動かしたりするような家具などには向きません。室内用である木工作品などの置物や観賞用の塗装におすすめですよ。
下地である木の色により仕上がりの色に変化が生まれます。きれいにツヤの出る仕上がりで色褪せもしにくい塗料。同じ製品なら色を混ぜたり、重ねたりもできるので、初心者でも手軽に楽しんで塗装できそうですね!
水性ウレタンニス
水性ウレタンニスはウレタンという樹脂でできている塗料です。水性ニスと同様に作業性がよく、においも少なめで使用後の道具を水洗いできます。
一方で、水性ニスよりも塗膜が強く、保護力に優れているのが特徴です。触れたり動かしたりする家具や、おもちゃなどの木工作品にも向いています。
また、製品によっては食品衛生法に適合しているものも。安全性が高く、木製の食器やお子さまが触れるようなものも塗れるのはうれしいですよね!
仕上がりは水性ニスと同じく、下地の木肌が透けるので木の色により変化します。種類や色も豊富で、ツヤが出るタイプやツヤを消すタイプもあります。仕上げたいイメージを思い浮かべながら、どれにするか選ぶのもワクワクしますね。
ワックス
ワックスは木材の中に少しだけ浸透し、表面には薄い塗膜を張って保護してくれる塗料です。染み込ませてふき取るという簡単な作業で、初心者でも効率よく塗装できるでしょう。撥水や防汚効果もあり、保護力も十分です。
主に自然素材で作られているワックスが多く、蜜ロウやエゴマ油などを使った製品があります。また、固形やクリームタイプ、希釈するタイプなど、塗装するものに合わせて塗りやすいタイプが選べるのも魅力。
強い塗膜を作らないため、木の質感を生かした温かみのある仕上がりが楽しめるのもうれしいですね。アンティーク調やビンテージ風に仕上げたい作品におすすめです!
DIYでも木材塗装をきれいに仕上げるコツ
一見、難しそうに見える木材の塗装。せっかく作った木工作品の塗装はできるだけ失敗したくないもの。
ここでは、DIYでも木材塗装をきれいに仕上げるコツについて解説します。自分の作品が塗装でさらに素敵に仕上がるよう、ぜひ参考にしてくださいね。
ニスは「薄く重ね塗り」が基本
ニスで塗装する場合、薄く重ね塗りすることがきれいに仕上げるための基本です。最低でも2回は重ね塗りを行いましょう。
また、サンドペーパーなどで研磨することもポイントです。順序としては以下の通り行うときれいに仕上がります!
手順1:ニスを薄く塗る
手順2:乾燥後、サンドペーパーの粗目で磨く
手順3:ニスを薄く塗る
手順4:乾燥後、サンドペーパーの細目で磨きあげる
以上の工程を繰り返すことで、ニスの塗装は輝きを増していきます!スプレータイプの塗料を使う場合も、薄く何度もスプレーしましょう。
注意点として、使うニスの種類を途中で変えないようにしてください。たとえば、油性ニスと水性ニスを重ね塗りしてしまうと、乾燥の速度が違うことや、水と油なので弾いてしまうことがあります。
木の質感を生かしたいなら「ステイン+クリア塗装」
木の質感を生かせるステイン(浸透型塗料)で塗った後に、クリアニスやワックスなどでコーティングする方法もおすすめです。浸透型と造膜型のいいとこ取りで、木の風合いを残しながら膜でしっかり保護できるので、仕上がりも一段とグレードアップしますよ。この方法は使用するコーティング塗料で質感が変わります。
ニス仕上げの場合、耐久性がよくメンテナンス性も優れていますが、表面は木の質感がやや失われます。一方、ワックス仕上げの場合はニス仕上げより耐久性は劣りますが、木の質感が感じられる仕上がりが可能です。どちらもメリットがあり、迷ってしまいますが、作品の用途に合わせて吟味してみましょう!
まとめ
木材用の塗料は「浸透型」と「造膜型」があります。木工作品の着色や劣化防止には、保護力も十分で初心者でも扱いやすい水性ニスや水性ウレタンニス、ワックスが最適!
きれいに仕上げるには薄く重ね塗りが基本です。「ステイン+クリア塗装」という、木の質感を生かしながらコーティングする方法もおすすめですよ。